空と文字(MOUNTAIN)

What's new?


2020年12月までのWhat's new?はこちら

2023年7月20日

SX-3、気を取り直してネットワークのシミュレーションしてみた。

オリジナル                   新たに設定したネットワーク

SX3オリジナルネットワーク ⇒ SX3 新ネットワーク

LTspiceでも計算してみた。こちらはフィルター特性のみ

オリジナル                

LTspice SX3original 

新たに設定したネットワーク

LTspice SX3new

ひょっとしてツィーターを逆相にしたら土管の音が治るかも?早速やってみたら高音が遠くに引っ込んでしまった。

でもどう見ても新しく設定したネットワークの方が明らかに素直。

あ!アッテネータを絞ってあることに気が付いた。

フルに上げてみたところ、土管の中で聴いたような音はどこへやら。まともな音に早変わり。

まあ、一安心。それにしても手を加える前の音質に比べたら、隔世の感があります。

2023年7月11日

ブックシェルフスピーカーVictor SX-3を大分前に改造してそのままにしてあった。低音リッチの原因を考えていてふと思い当たることがある。初代SX-3は公称インピーダンス8Ω、ツィーターのインピーダンスが8Ω、なのにだ、なぜかウーファーのインピーダンスがΩである。メーカー推奨の低音調整スイッチをONにすると固定アッテネーターがONになってインピーダンスが1.5Ω足されるが不十分である。前回の改造で固定ネットワークはとっくに取っ払ってあって、切り替えのスイッチだけ付いている。で、早速ウーファー側に4Ω40W抵抗を直列に入れる入れないを選択できるように回路を改造した。この構成だとSP端子間の抵抗を測ると8.5Ω、スイッチをオフ(オリジナルの回路)にすると4.5Ωとなる。私のアンプは真空管アンプで8Ω設定なので丁度いいのである。おまけに低音が見違えるほど引き締まってツィーターとのバランスもとれている。むしろツィーターのアッテネータを有効に使うことができるようになった(以前はアッテネーターは目一杯右に回して聴かざるを得なかった)。それから、箱の中の詰め物を減らしてオリジナル+アルファにして試聴してびっくり、本来の箱の共鳴のおかげなのか、ベースの響きが楽器的な鳴り方になった。アルテックシステムを聴いてからでも十分聞ける音質になったと思う。以前持っていたSX-7Ⅱに近い音質である。でも、音量を上げるとツィーターが歪むことに気が付いた。恐らく前回の改造でツィーターを6dB/Oct設定にしたために、ツィーターに低音成分が混じって歪むのだと思い、12db/Octに設定した。具体的には低音カットコンデンサは5.6μF、その後の低音カット用のコイルは0.73mH(以前ウーファー用の高音カット用のコイル)を挿入した。クロスオーバー周波数は1.5KHzのままである(オリジナルは2KHz)。それで聴いたらばっちり!恐らく初代SX-3では最高の音質だと思う。これでクルトミュラー社製のコーン紙やソフトドームツィーターが浮かばれるというものである。史上最悪スピーカーの汚名返上である。と思いたいが、良く聴くとやっぱり土管の中でピアノを聴いているような感じがする。これってウーファーユニットの特性かな?鳴らしているときに裏の端子板を触るとビリビリすることと関係あるかな?だとすると結構補強しないとだめかもしれない。ユニット特有の癖ならどうしようもないけど、ガッカリ。もうへとへと。

SX3右SX3右

2023年7月7日

負帰還(NFB)について

いままでNFBの動作原理がよくわからなかったので、ネットで検索してみた。それでも専門的な数式ばかり出てきて定性的に的を得た説明がなされておらず、困っていた。それで自分なりにNFBの動作について考えてみた。まずNFBのない場合の動作。アンプの回路は入力から出力の間で増幅動作を行う。利得をGとする。その利得Gの周波数特性もある。理想は20~20KHzでGが同じであること。 でも大抵は周波数端でGがだら下がりである。周波数特性の元の特性に対する差分と増幅した信号の元の信号波形に対する歪分Gdとする。またこの増幅動作の中で出力にノイズが現れる。ノイズレベルをNとする。これらG、Gd、Nが合わさって出力される。さて、この増幅回路にNFBを掛ける場合を考える。NFBの動作を増幅系におけるノイズNを打ち消す場合を考える。アンプの利得がGだとすると、Nをなくすには、N/Gの逆信号(位相が逆)をアンプの入力に入れてやれば、出力としてはNは打ち消されて0になる。この場合、Gdについて考えると、Gd/Gの信号も逆信号として入力に加えられる。つまり、アンプの周波数特性の逆のイコライジング信号と歪を打ち消す信号も加えられる。なので周波数特性は改善し、歪も打ち消される。だが、ここで考慮しなければならないのが、アンプのノイズ信号の大きさと、アンプの周波数特性のレンジ、アンプの歪の大きさがすべて異なる点である。アンプのノイズを消す負帰還量はGdを打ち消す負帰還量とは大抵異なる。なので、負帰還量は音を聴きながら決定するのが良いことになる。こんな難しいこと、普通出来っこないし、元に戻って裸特性が良ければNFBなんていらないはずである。第一、出力した音を入力に戻すなんて、自分で出したうんこを食べて生きるみたいで、絶対やりたくない。裸特性が悪い半導体を使ったアンプならNFBに頼るのも仕方ないことだが。

CDプレーヤー

マランツCD-72a(高級機にも使われているDAC7、HDAMモジュールにスイングメカCDM-4M。この機種はトレイを駆動するギヤが劣化して割れるのでアマゾンでギヤを買って交換しました。その時内部を見たのですが、機械部分と回路部分が銅メッキのケースに入っていてまるで高級機!おまけにケースにDAC7の回路構成まで印刷されています。またHDAMという回路ブロックを使っていてノイズ対策ばっちりなんですね。でも、YAMAHA CDX-2200に比べると音の輪郭が丸いことが分かります、もっと聴き込むと愕然とした。このCDプレーヤーは、楽器の間にあるはずの音像が、無い!なんでだあ~!信じられないほどひどい音。今まで聴いた機種の中の最低機種です。早速手放しました。普通のシステムの中に組み込めば気が付かないかもしれないけど。

CD3800は電源がスイッチング電源で、必要のないDAC入力があって好きになれないので手放しました。バイオリンの音が平面的でうるさくなるのも嫌だった。

2023年7月8日

6RA6差動増幅1段プッシュプル無帰還アンプを聴きたくなって初段兼出力段のペアリングを見直し、電流バランスを取り直し、プレート電流を再調整して70mA(35mA@本)に厳密に設定、3.6W出力確認した。ただし入力は20Vpp以上必要であった。そのため、Tube01Jでは役不足で、C-200Lでドライブ、ボリューム午後3時で大迫力の音圧を得た!

6RA6PPアンプリファインド

これでPaula ColeのThis fireの超低音の海に身をゆだねた。

This fire

2021年12月15日

最終の6R-P10のロードラインと動作点を入れたプレート特性を載せます。結局出力トランスOPT-5SのB端子にはSGと同じ173Vを入れました。1次インピは2.5Kでインダクタンスは8.5Hでした。

2021年12月9日

日差しに輝く6R-P10ワンステップアンプ。とてもきれいなアンプで見とれてしまいます。

でも、低音の量感がいまいち。やっぱり6G6GやEL803には一歩足りないと思う。定位の良さはEL803と並んでぴか一だが。

→そこでカソードのバイパスコンデンサーをMUSEにして、カソード抵抗を68→60オームに変更してバイアスを-3V→-2.6Vに浅くして入力に対するリニアリティの良い領域で駆動(出力は減少します)することで6G6Gなどに引けを取らなくなりました。微妙な設定で音質って変わるもんですね!

2021年12月6日

What's new?ご無沙汰しておりましたが、6R-P10を用いたワンステップアンプが完成しました。5極管特性が開示されていないので自分で測定し、下のように3極管特性も測定して重ね書きしました。

バイアス-3Vとしてカソード抵抗68オームに設定、ウルトラリニア接続のためにPP用の5Kトランスを使ってP2に電源、BにSGを接続、P1にプレートを接続して動作すると思ったのですが、実際にやってみると、音は出るのですがとても歪んでいて低域も出ていないので、ああ、やっぱりPP用のトランスはシングルには使えないことが分かりました。仕方がないので手持ちの東栄変成器のOPT-5Sに取り替えて、SGは直接B電源に接続して再度起動してみました。

この真空管は見通しがよくて、御覧の通りカソードやグリッド、ビーム成形電極が丸見えです。熱電子がプレートに飛んでいくのが見えます。計算では1.8Wほど出るはずです。で、音質ですが、さすが広帯域増幅出力管でのワンステップアンプ!EL803と同様にくっきりはっきり!低音もよく伸びて粒立ちまで聴き取れます。が、クラッシックを聴いて、ん?何か違う、って思うようになりました。何か音の厚みが薄い。真空管の構造のように見通しがいいけど隙間風が吹いているようなスカスカ感がある。入力のコンデンサーに安物(ニチコンの茶色いモールド型0.47μF)がいけないのか、もう少し検討してみます。→6R-P10のデータシートによると、負荷抵抗は1.8KΩとあるので5Kの設定はよくなのかもと思ってとりあえず2.5KΩにしたところ、大分音の厚みが増しました。この真空管はプレート電圧が200Vまでなので負荷抵抗を高くして電圧駆動にするよりも負荷抵抗を低くして電流駆動した方が本来の特性が出せるのかもしれませんね。だとすると出力トランスはOPT-5S→23Sに変更します。

負荷抵抗2Kだとこんな感じで出力は1W程度になることが分かります。入力に対するバイアスレンジを確保するためにVsg=170Vは死守。プレート損失を守るためには動作点のプレート電圧を155Vに設定しました。+B170VにSGを接続して、これに82オームを噛ましてプレートを接続しました。

はい、只今トランスをOPT-23Sに変更しました。負荷抵抗は2KΩとしました。したところ、低音の量感がさらに増し、中高音の肉付きがよくなり、躍動感が戻りました。というわけで、ワンステップアンプ特有の定位の良さ、音離れの良さ、鮮度の高い音質と相まってもうたまりません!VanessaWilliamsのStarBright、最高です!

2021年11月12日

EL803ワンステップを聴いてビーム管や5極管の高域の伸びたきれいな音質を活かしつつ、無理のない負帰還が掛けられる駆動方法ということでウルトラリニアー接続を調べてみました。したところ、とても詳しいHPがありました。

http://ayumi.cava.jp/audio/pow/node16.html

こちらによればUL接続時のプレート特性を算出するのはとても難しそうです。それでせっかく真空管試験機を作ったので、SGタップ付きのトランスを接続して実際にプレート特性を測定したのですが、3極管接続の特性になってしまいました。そうなんです!UL接続では静特性は3極管接続の特性になるのです。あたりまえですが。なぜなら、スクリーングリッドはトランスのSGタップに接続されていて、せいぜい100~200Ωのコイルを介してプレートに接続されているわけで、プレート電圧とSG電圧は数Vしか違いません。なのでUL接続でのカソード抵抗は3結でのプレート特性から割り出せばいいことになります。確認のために上記のページに示されている6L6GCでのUL接続時の-20Vでのプレート電流を3結でのプレート特性での電流を比べるとほぼ同じの40mAでした。で、下の図のような5Kでロードライン引いてみました。3.3Wほど取り出せそうです。プレート電圧260V、40mA、バイアス-20Vでカソード抵抗470Ω。

で、以前作ったEL34のシングルアンプを改造して鳴らしてみたんですが……、低音がだぶついて聴けたものではありませんでした。多極管で負帰還をかけない(UL負帰還はかかっていますが)とこんなものなのかなあ、なんて思います。前作のEL34も3結でもパッとしない音で、ひょっとすると、プレート損失の大きな多極管はプレートが大きくて深い負帰還をかけないと低域がボン付くような気がしてきました。それで、以前から試したかった6F6Gを使ってみることにしました。6F6Gでは動作点は260V、40mA、バイアス-15Vなのでカソード抵抗を390オームにするだけで大丈夫です。もちろん無帰還(UL負帰還はあります)です。

とてもきれいに放電してくれています。ちなみにこの6F6Gはロシア製です。

で。音質ですが、これがとてもいい音質で。EL803ワンステップや6G6Gの3結と同類の、くっきりはっきり活き活きとした音質です。フレッシュです。低音の量感も締まりも良い! 

無帰還アンプではプレートの大きさと低音の締まりには相関がありそうです。EL34や6L6GC、7581Aなどはプレートが大きく、低音の締まりがなくなるような気がします。6F6はそこそこプレートが小さくてある程度の低音の締まりがあります(UL接続での比較)。もっとプレートの小さい6G6G(3結)のほうがもっと低音は締まってきます。ちなみにEL34、6V6は無帰還では3結でも締まりのない萎えた音質です。ションボリ。

それからもう一つ、初段管をGEの5814A→トライオードオリジナル12AU7/ECC82に換えてみてまたびっくり!音の鮮度が数段上がりました。この真空管は普通の12AU7より高級です。なんと2つのユニットの間にシールドが入っています。なので1本でステレオにする今回のような用途にはぴったりです。オークションで未使用で2本で500円でした。ごちそうさま!

いろんな真空管を聴けば聴くほどいろいろな気づきがあります。面白いですね!

2021年10月24日

ご無沙汰しております。前回EL803をご紹介しました。プレート特性がとても魅力的です。これによれば感度が極めて高く(初段管並み)、なおかつプレート損失が9Wで出力段並みです。

前回、EL803のプレート電流のバイアス電圧依存性のグラフを示しましたが、ひとつ気が付きました。上のグラフは縦軸の電流はスクリーングリッド電圧で調整できることが分かりました。上のグラフはVsg2=170Vの時ですが、これが右側に示した200Vの時には20mAほど多く電流が流れるようになり、その分バイアスを深くできるようになります。200Vで駆動すると出力2.2Wほど得られるはずですが、電源の都合でプレート電圧170V(電源の都合)としました。上図の通りバイアス-2.5V、プレート負荷抵抗5KΩで出力1.3Wが得られそうです。

で、早速ワンステップアンプ(1段アンプ)組んでみました!

EL803はヤフオク、出力トランスはおなじみの東栄無線のOPT-5S、最初は入力とグリッドは直結でしたが、動作が不安定(接続機器によっては歪む、おそらくバイアスがずれる)ため、入力とグリッド間にカップリングコンデンサ(InfiniCap0.1μF)を挿入したところ、何を繋いでもクリアな音質となりました。

1段なのであっという間に組めました。

ちなみにとても簡単な回路なので、当初は前に紹介したDC-DCコンバーターを内蔵して、12Vアダプタで動作させてみたのですが、高調波の影響か、ラジオのようなノイズが載ったり、スクリーングリッドに起因するハムが乗ったりで、これで駆動するのは止めた次第です。DC-DCコンバーターは使いこなすのは難しそうです。

今まで使っていた電源は300V程度だったため、電源トランス東栄変成器PT-10Nで組みなおしたところ、EL803が電流が2本で80mA流れるため、チョークコイルで電圧降下して170V動作となった次第です。

音質ですが、以前に制作した6F6G3結アンプと同じ音質の傾向、すなわちとても自然で低音から高音までよく伸びた音質で、いくら聞いていても疲れない音質です。6G6Gが0.8W程度だったのですが、こちらは1.3W程なのでより力強い音質です。さらに6G6Gよりも明らかに解像度が高い、でも少し硬いかな。私が今まで作ったアンプの中で6G6Gと並ぶものとなりました。

今までいくつか真空管アンプを組んでみましたが、故佐久間駿先生が聴く音楽に合わせて真空管を選んだのがよくわかります。

2021年10月5日

5極管として6F6や42、テレフンケンのEL803などでアンプを組もうとしたのですが、メーカーデータではスクリーングリッド電圧が限定されていて設計ができないことが分かりました。そこで・・・・、真空管試験機を作ってみました!今はいいものがありますね!DC-DCコンバーターで12V→45~390Vまで昇圧できちゃいます。また、ヒーターもDC-DCコンバーターで電圧電流まで管理できますし、グリッドのバイアス電圧まで供給できます。となればこれらを一つのシャーシに収めれば真空管試験機ができるわけですね。早速組み立ててみました。DC-DCコンバーターはとてもお安くて、±45~390V品で740円、0.5~32V品で999円なので、プレート電圧とSG電圧用に390V品を2個、ヒーターとバイアス用に32V品を2個購入して組み込みました。

写真では真空管(アルミシャーシの右側側面に差してあります、ここでは6V6GT)にプレート電圧252V、SG電圧250Vを印加して、グリッドバイアス12Vかけた時に41mA流れていることを示しています。この試験機を用いれば、動作させたいプレート電圧でのバイアスに対する電流特性など、どんな特性でも測定することができます。例えばテレフンケンのEL803はとても魅力的な真空管なのですが、プレート&SG電圧が200Vと170Vでの特性しか載っていません。SG耐圧が250Vなので230Vくらいで動作させたいと思っているので、これで測定しようと思います。

で、早速EL803のIp-Vg特性を測定してみました。

メーカーデータに書き込んでみました。Vp=200Vではメーカー値とほぼ同じ(×と〇は2本測定値を示す)。

230Vではほかのデータを左にシフトしたような値になり、予想通りです。ただ、Vpを高くすることは、Vgの中心値と信号による±バランスを考えると、あまり良い選択ではないことが分かりました。鉛筆で書き入れた230V特性によれば、動作点Vg=4Vに設定すればVg=0~8Vまで使えるように見えますが、この動作点ではプレート損失を超えてWp=230x0.046=10.6W>9W(最大規格)となってしまいます。また、入力はライン入力でVg±3VあればいいのでVp=200Vにして制作しようと思いました。



2021年9月21日

6G6Gの音を聞いてから6BX7GTパラシングルの音を聴いたら透明度が全くないことに気が付きました。ネットで調べると情熱の真空管アンプの木村さんがパラレルシングルの難しさを書いていらっしゃるのを目にして、特に6BX7GTではパラシングルのメリットが全くないことに気が付きました。この球は片ユニットのプレート損失は10Wなのに両ユニット同時では2本で12W、片ユニット6Wになってしまいます。これでロードラインを引くとパラシングルで2Wほどしか出力できないことになる、おまけに入力容量が2倍で高域の周波数がガタ落ちになるとのことで、今回の症状ドンピシャです。で、試しにパラシングルを解いてシングル化して聴いてみたところ、高域が透き通って低域の量感が増してずしんと来るようになりました。でも、せっかく一本に2ユニット入っているのに片側を遊ばせることになるなあ、どうしようと思って、なにげに6CS7に目をやりひらめきました!そうだ、遊んでいるユニットを初段にすればいいじゃないか、と。で早速プレート特性を眺めてみました。

寝ているロードラインが負荷抵抗20KΩの場合で初段用です。最も出力レンジが取れるところとしてバイアス-10Vとしてカソード抵抗は1.1KΩとしました。入力が±3Vほど入ると仮定すると、出力レンジは40Vほど採れそうです。これは出力段をドライブするには十分です。その上の4KΩのロードラインは出力段用です。出力段のカソード抵抗は430Ωでバイアス-20Vです。これは初段の出力で丁度ドライブできるバイアス値です。出力段のロードラインが10Wの損失曲線(10W)にめり込んでいますが、bothで12Wなので許容される範囲だと思います。これで出力2.7Wなので、プレート損失both12W設計のパラシングルよりも高出力となりました。また6BX7GTはプレート抵抗が1.3KΩなのでこれを初段にも使っているためダンピングの利いた低音が期待できます。おまけに初段と出力段に同じ種類のユニットを使っているため、感度の非線形性がある程度打ち消されることが期待されます。なぜなら、初段での信号増幅は初段を通ったことで位相が反転するため、出力段での非線形を打ち消してくれるからです。(ただ、初段に入力される信号幅は±3Vである一方、出力段では±20V程度なので補正の程度は気持ち程度ですが・・・・・・)

 

今まで初段管(6FQ7→12AU7A)のあったソケットは空になりました。この後、撤去してヘッドホンに付いてきた「AKG」のシールを張りました。

音質は初段に12AU7Aを使っていた時と変わらず、高域から低域までよく伸びていて、低音の重さをずしりと感じます。

これで6G6Gを聴いた後でも十分聞きごたえがあります。ホッとしました。

2021年9月18日

6F6GTの初段に使おうと思って購入したNational Unionの6G6Gがあまりにきれいすぎてミニワッター作っちゃいました。それが・・・・・・、今まで作ったアンプの中で一番アルテックに似合うアンプになりました!

6F6GTの初段管を何にしようか考えておりました。6F6は5極管でリニアリティが悪いため、初段管も同じ特性の球にすれば、リニアリティが補正されるはずと思い、同じ5極管で6G6Gが目に留まったわけです。で、ネットでプレート特性を調べてみたところ、3極管接続での特性が載っていて、惚れました。

データ集には三結での動作例が載っていて、なぜかプレート電圧180Vとなっていてバイアスももちろん浅くて-12Vで出力0.25Wと超小出力、げんなりしました、が、気を取り直して自分なりに動作点を吟味しました。プレート損失はスクリーングリッドをプレートに接続した前提で3.5Wであり、プレート特性に書き入れました。バイアス電圧は0~-48Vまで使えそうなので、中間をとって-24Vに設定、すると動作電圧は270Vとなり、負荷抵抗を12KΩとしてロードラインを引くと図の通りとなりました。実際には電源電圧のこともあってバイアス-22.6Vプレート電流は11mAとなりました。この時の出力は0.675Wで動作例よりも3倍近く採れることが分かりました。これで組んでみました。出力トランスは、プレート電流が11mAなので、東栄変成器で探してみるとT-600Z(なんとオリエントコアで税込み1400円!)で決まりました。とてもコンパクトなので幅12cmのシャーシに納まりました。カップリングコンデンサーはフランスのSolen0.22μF、カソードのバイパスコンデンサーはニチコンMUSE100μFとしました。抵抗はすべて金属皮膜抵抗です。面白いことに出力段のカソード抵抗は1/2Wで行けました。また、本機にはもう一つ工夫してみました。先日真空管アンプの巨人、故 佐久間 駿さんの動画を拝見していて、「背骨」と称して単線ACケーブルの芯線を使ってアース母線を配線していらっしゃいました。私も真似して、直径1㎜以上ありそうな銅線でアース母線を配線しました(写真ではライン配線の下になっています)。

音質は、とてもクリア、でも柔らかく、低音のきめが細かく、非の打ちどころがありません。アルテックウーファで聴くと、低音の締まり具合が絶妙で、弦楽器の振動具合が目に見えるようです。

出力は小さいけど、うるさいくらいに大きくしても歪みません。0.7W弱とは到底思えません。十分です。

で、明らかに今までの真空管とは音質が違う理由を構造的に考えてみました。下にNationalUnionの6G6Gのトップの写真を載せました。中心の光っているところがカソードです。他の出力管と異なり、とても直径が小さく、しかも丸いです。直径1㎜もないかもしれません。でプレートが円筒状で、カソードからの距離がどの方向にも等距離で、カソードからの熱電子は放射状にプレートに届きます。そのためプレートへの熱電子の飛行時間は等しくなります。最も熱電子の飛行時間など微々たるものなので、ばらついても音質への影響などないはずですが……。これを検証するには同じ6G6GでもRCAやほかのメーカーでは楕円のプレートなので、差し替えてみればよいと思います。いずれ試してみたいです。

思うに、この現象はプロジェクターの光源の発光面積と投影画像の解像度の関係に近いかもしれません。点光源に近いほど解像度の高い画像が得られる、真空管においても熱電子の放射面(カソード面)が小さいほど、音の解像度が高まる、なんて。もっと考えてみると、ひょっとして傍熱管と直熱間の音質の違いにも通じるのではないでしょうか。つまり、一般的な傍熱出力管ではヒーターがカソードを温めるため、カソードから熱電子が出ます。カソードはヒーターを覆う筒であるためにヒーターよりも表面積は当然大きくなります。一方直熱管ではフィラメント(ヒーター兼カソード)から直接熱電子が出ます。フィラメントの表面積は本数にもよりますが、一般的に傍熱管のカソードよりも面積は小さいです。なので、前述の考察から直熱管の方が解像度の高い音質になるのではないかと。となると、直熱管のアンプもいずれは組んでみたいなと思います。

それにしてもほかのアンプでは音が団子になるところでも、このアンプでは高い解像度で増幅してくれています。

昔コピーしたカーペンターズのアルバム、聴いてみたところ、涙が出ました………

2021年9月5日

パラリンピック観戦しております。ボッチャの杉村さんをはじめとする日本チーム、車いすテニスの国枝さん、頑張りましたね、涙が出ました。パラリンピックはオリンピックとはまた一味違った感動を頂けています。一生懸命さがじんじん伝わってきます。ありがとうございます。

そんなわけで自分も好きなことを一生懸命やり遂げようと趣味に没頭するわけですね。今までのシングルアンプは普通の出力(2~4W)でしたが、十分な音量と迫力を感じられましたので、今回はもっと出力が少なくてもいいので直線性の優れた球を使ってみたくなり、ネットで調べていてふと目に付く球を見つけました。6CS7です。2本で新品未使用2000円ほど。小出力3極管と中出力3極管を封入した複合管です。特性は

初段の負荷抵抗50Kオーム、出力段は負荷抵抗7Kオームでロードラインを引いてあります。プレート電圧は260V(271-11V)としています。出力トランスは東栄変成器さんで品切れ中のT1200(12K)を頼み込んで2こ購入しました(が、12kでは使ってないのでT1200(7K)で行けます)。東栄変成器さんは2台作っていますが、タンゴさんに負けず劣らず、場合によってはタンゴさんをしのぐ性能なので、今後はずっとお付き合いします(いいものはちゃんと使って差し上げて支援することにしています)。抵抗やコンデンサー類はマルツオンライン(税込み3300円以上で送料無料で高品質!DigiKeyの製品まで同じ値段で購入できます)を使っています。

一日でケース加工から配線まで済ませて本日の午前中でチェック、音出ししました。

ジャズボーカル karin:StayGold聴いてみました。

ジャズボーカルぴったりですね!柔らかく、心に響きます。

0.8W程度のミニワッターでも効率のいいスピーカーをつなぐなら十分ですね。

EL34の3極管接続と6GA4、6BX7GT、6CS7の純3極管アンプを聴き込んで気が付いたことがあります。それは、純3極管は音が締まっていてかっちりしているのに対して5極管の3極管接続は音がゆったりしている点です。で真空管の構造と関係があるのかなと思いまして、カソードとプレートの距離を考えてみました。3極管はプレートの直径(10㎜くらい)が小さく、従ってカソードとプレートの距離が短いわけです。電子の飛行距離は短く、グリッドで変調された電子は応答性がいいわけです。一方5極管ではプレートの直径が大きく(EL34で20㎜くらい)、電子の飛行距離は3極管の2倍以上ありますし、プレートまでの間に第2グリッドや第3グリッドが入っていて電子は素直にプレートに到達できないわけです。そんなわけで応答性がいまいちなのかな、なんて考えたわけです。でもそれぞれの個性はそれぞれ音楽を楽しく聴かせてくれています。これから6F6(5極管)や6V6(ビーム管)のアンプを作るつもりですが、その中で私の仮定を検証してみようと思います。

2021年8月28日

田舎では着実にコロナワクチン接種が進んで、私も先日めでたく2回目の接種が終わりました。あと2週間ほどはおとなしくしています。

そんなわけで、20年ほど前までいじっていた真空管アンプを作り始めました。今までは動作特性などはそっちのけで製作例に従って作ってそのまま音を出していましたが、動作点があっているのかとても気になって、ネットでしっかり勉強して、手持ちのEL34の3結シングルアンプを調べてみました、ら、電源電圧が400Vを超えていて、プレート電圧375Vのお決まりの動作点になっていました。私は電源部を別に作ることにしているので、アンプ部だけ作ればいいのでとてもお手軽にほかの真空管アンプが作れます。このような汎用性を持たせるため、思い切ってEL34の動作点を変えることにしました。具体的には電源部の出力電圧をシングルアンプによく用いられる電源電圧280Vとしました。自己バイアス前提なのでプレート電圧はおよそ260V程度になります。それで2.5Kのロードラインを引いてみました。

スピーカーの能率が100dBを超えるため、パワーは必要ありません。また悪の元凶の負帰還をかけないので初段はできるだけ鈍感な球がいいので12AX7A→6FQ7に変更しました。負荷抵抗100Kでのロードラインは以下の通り

この球はとてもリニアリティがよいとのことで音が楽しみです。

回路は超シンプルですべて基本回路で組みました。

音質は、とてものびやかでトランジスタアンプと一線を画すものです、ただケンブリッジオーディオのTOPAZ AM5とは通じるものがあります。

それから、手持ちの部品で中学時代にアンプを作った時に買った出力トランスタンゴU608と2000年頃に何気に買ったGEの6BX7GTが1っ本あったのでこれでシングルアンプを作ってみました。これがまあ、とんでもなく生き生きしたいい音で、とても透明で。シングルアンプの特徴がよく出ています。で、どうしてこんな弾んだような元気な音が出るんだろうと、シングルアンプの動作を勉強してみました。出力管のロードラインの引き方がよくわからず、つまり、初段管の負荷抵抗は直流でも信号領域でも変化しないのに、出力管の負荷はトランスであるがゆえに信号領域ではトランスに表記される数Kオームなのに直流では100~400オームになります。なのでロードラインの引き方は真空管のVI特性における静特性でのプレート電圧における電流を決めて、それを実現するためのバイアス電圧を割り出します。で、おかしなことに気が付くわけです。前段からの信号電圧は動作点を中心にしてロードライン上を振動するわけですが、動作電圧よりも低い側に信号電圧がかかる場合はいいのですが、信号電圧がマイナス側、つまり出力としてはプラス側に触れる場合は電源電圧よりも高い電圧が出力されるわけです。具体的には例えば上記のEL34のVI特性図でP-K間電圧260Vとした場合、バイアス電圧を-15Vとすれば、入力電圧を-15±10Vで出力電圧は200Vから320Vまで振れるわけです。で掛けていない260から320Vまでの電圧が出るわけです。なぜなのか、真空管の習熟されている方のHPで発見しました。トランスはコイルであり、インダクターとしての動作ですと。流れを止めると止めさせまいとして電流を流す、流れさせようとすると流れさせまいとして電流を止めようとする。この過程の中で見かけ上電圧が発生するということでした。おそらくトランスを使った真空管アンプではインダクターによる音色が載るのだと思いました。いずれにしてもとても音楽的な心地よい響きを体感できます。

この知識をもとに、6GA4(6BX7GTの片側ユニットを独立させた東芝の真空管)シングルを設計製作しました。

VI特性は

ロードラインは5Kとして、プレート電圧250Vでバイアス-18.5Vとなるように、カソード抵抗390オームとしました。初段は前述の6FQ7としています。

これで出力2W程とのことですが、私の場合は初段の出力電圧を普段聞く音量に合わせて小さくしているのでこんなに出ていないと思います。

次に、欲が出て、6BX7GTのパラレルシングルをやりたくなりました。図太い音になるのかななんて期待しました。

でVI特性にロードラインを引いてみました。

シングル特性のため4Kで引いていますが、実際にはパラになるのでトランスは2K品を使いました。トランスの手持ちがないので探してみました。パラなので流れる電流は90mA程度。これで国産で探すとありました!秋葉原の東栄変成器さんです。型番OPT-23Sです。パラシングルステレオはプッシュプル並みに電流が必要なので、電源部のチョークトランスも電流アップでタンゴの10H150mA→東栄変成器10H200mAへ変更しました。このトランスはタンゴ品よりも直流抵抗が低くて電圧ロスが少なくてうれしくなります。カソードはまとめずに2ユニット独立でカソード抵抗390オームをつないで、実際に動作させてカソード電圧を測定してばらついている場合には変更できるようにしました。あまりばらついていると音質に悪影響が出るそうです。が実際に組んでみてわかったのですが、1つの管内のユニット間の電流ばらつくは1mA程度で、抵抗を変えて調整するほどでもないことが分かりました。

初段と出力段のカップリングコンデンサーはamtrans0.1μF、カソードのパスコンはMUSE100μFなんて使ってみましたが、音がいいのかわかりません。

パスコンはこれの前に普通グレードの33μF使ってみましたが、MUSEに換えても音質は変わってないと思います。

抵抗はすべてKOAの金属皮膜1/2W、電力の高いところには酸化金属皮膜を使いました。

専門部品ばかりですが、今は通販で注文して翌日には手元に届く時代、ほんといい時代になりましたね。

管はオークションで落としたシルバニア製です。GEに比べて手が込んでいて、ゲッターリングとプレートの間にマイカプレートが入っています。

音質は、期待通りで「図太い」です。力を感じます。でも繊細で、いい感じの音質です。

思うに、2A3は内部には2つのユニットがあってパラレル接続されています。音質はとても図太い音とのことで、ひょっとすると6BX7GTは2A3と同じ構造なのでパラレルシングルにすると同じような音質になるのかもしれません。

アルテックのスピーカーを今回紹介したシングルアンプで駆動してしみじみ思うことがあります。アルテックのA7などシアター向けスピーカーが開発されたのは1960年代であり、1990年代まで生産されてきたのですが、基本設計は変わらず来ています。基本設計が古いために古き良き時代に作られた真空管アンプとの組み合わせが抜群なんだと思います。真空管アンプはダンピングファクターが小さく一桁くらいしかありません。それでもダンピングのきいた低音を出すために、アルテックのウーファはもともとの設計でダンピングが効く構造になっているんだと思います。音を聴いてそれをはっきりの実感しました。アルテックのウーファーを鳴らしきるには真空管なんだと!

これから聴き込んでいきたいと思います。

 

2021年7月18日

ご無沙汰しております。

CDプレーヤー集めに明け暮れていましたが、どうもアルテックの低音が締まりすぎていて、聴いていると肩が凝ってしまうので、箱を改造することにしました。バスレフの設計手順によってダクトを設定していたのですが、どうもアルテック416-8Cは効果が薄いようです。特性を調べていて目についたのが共振の鋭さQです。0.28しかありません。これはフォステクスなどのFEシリーズとほぼ同じで共振周波数での共振が小さいために共振を利用したバスレフには不向きでバックロードにした方がいいようなユニットであることが分かります。かといってバックロードやA7のようなフロントホーンにすると馬鹿でかいシステムになってしまいます。そこでお手本にしたのがA7です。A7のフロントホーンの方ではなくてホーンの下に開いている馬鹿でかい四角い穴です。アルテックによればこの穴を板で塞ぎ開口面積を調整することで低音の量感を調整できるとのことです。バスレフのような体積があるダクトではなくて箱に四角い穴が開いているだけです。私もこれに倣って四角い穴をあけてみました。ただし、ただ穴が開いていると、飼い猫のアオタンが住み込んでしまうので、ネットを張ってみました。

system2

A7もどき開口

なお、ホーンは大分前にとても良さげな中古のホーン(鳴き止めセメント入りで10Kg!)に交換してあります。

これによれば今まで出ていた25Hzまでの低音はそのままにうまい具合に肉付けされて、とても魅力的なグラマラスな音に変貌しました。ジャズ聴いても、目の前で演奏しているようです。空気感がとても良く出るようになりました。アルテックのユニット、とても勉強になりました。スピーカーって設計通りにならないんですね。そこが面白いです。

A7もどきシステム

アオタンです。今日もよく垂れてます。外の小鳥を見てカッカッカ、してます。

アオタン前アオタン後ろ

2021年7月19日

CDプレーヤー収集です。

マランツCD-72a: 1ビットだけどDAC-7搭載とのことです。このDACは1990年代のマランツの高級機で搭載されていて、どんな音なんだろうとジャンクをゲット。トレイの開閉不良でお安かったですが、開腹してびっくり、開閉用のギヤがチョコレートのようにバリバリに割れていました。アマゾンで修理用のギヤを購入して交換。無事復活しました。音質はすごく硬い音。原音に忠実。

PanasonicSL-PS700:1ビットでFMファンダイナミック大賞受賞とのことでゲット。とてもなめらかな音質。でもヘッドホンアンプはドンシャリ

YAMAHAの1ビットCDX-1050:トレイが開かないジャンクで購入、ベルト交換で復活しました。とてもかっちりした音質。低音が出にくいとのことで、確かに確認しました。でもピアノの音がいいなあ。飾り気のない音質。

CDX1050、CD72aなど

YAMAHAのPROBITを聴きたくてH堂でジャンク送料込み5000円のCDX-593を購入。トレイが開かないとのことで開腹。どこも悪くありません。CDを入れておくとトレイは開くので、これはCDの上の抑えとスピンドルがくっついてしまうためと思い、抑え側のスピンドルと接する面にシリコンワックスを塗ってみました。そしたらCDなくても問題なくトレイが出てくるようになりました。トレイの開閉不良にはいろいろな原因がありますね。音質は、CDX-1050とは異なり、低音がしっかり出ます。CDX-2200に近い音?でも少し粗さがあるような。アナログ回路にA級アンプを使った上位機種のCDX-993を聴いてみたくなりました。

KENWOOD PD-8020:PD-1100SGの1代おいての後継とのことで、トレイ開閉不良のジャンクでゲット。開腹してみたら、開閉用のゴムベルトが飴色のベルトに交換してありましたが、断面が〇タイプでスリップしていました。手持ちのベルトに交換したところ、問題なく開閉できるようになりました。シークがとても速く、音出しも速いです。音質は、とてもかっちりしていて無駄な音が出ません。とても好感が持てます、が、少しの振動で音飛びします。ひどい時には止まってしまいます。原因不明。

マランツ CD-80:実家からジャンクを連れてきました。 兄が1990年頃に近くのオーディオショップで仕入れて使っていたようですが、最近あまりかまってやってなくて、久しぶりに電源を入れてみたけどポーズ状態のままフリーズしていて、しかもディスプレイが消えたまま。埃だらけでいかにも壊れているようなので連れてきた次第です。で、開腹して電源入れてみても煙は出ません。ただ、半導体の焼けたようなにおいがします。後ろにトランジスタのヒートシンクが出ているので相当熱くなる設計のようです。で、コンデンサー周りを調べました。容量抜けは全くなく、どこも傷んでないようです。使われている部品はフィリップス中心。このDACはフィリップスのTDA1541S1クラウンなんですね。しかもオーソドックスな16ビット機。何とか音出しして音質を聴いてみたいと思いました。電源スイッチを入れるとわずかCDが回転するので、完全に死んでいるわけではないようです。装置のボタンを押しても動かないので、試しにCD72a用に使っているリモコンで再生ボタンを押してみました。そしたらCDが回転を始めました。でも、ディスプレイが表示されないんだよなあ、とディスプレイ部を眺めていたら、なんと!表示されるようになりました。で、ヘッドホンで聴いてみたら、これもなんと!きれいな音が流れているではありませんか!ガリはあるのでリモコンで数回ボリュームを回してみたらガリも取れました。というわけでCD-80は完全復活しました。 音質は、とても端正で正直な音質、音楽的な鳴り方をしてくれます。何も足さない、何も引かない音質とはこの事でしょうか。ただ、大変熱くなって内部に熱がこもることが懸念されるので、音質にはよくないと思いつつも、サイドパネルを5㎜程のスペーサーをかませて固定してあります。熱は本体とサイドパネルの隙間から逃げてくれます。

CambridgeAudioのTopazCD5も購入しました。AM5とのペアで新しい時代の音楽を聴かせてくれます。

DP8020、CD80など

SONY CDP-337ESD: 完動品を12000円で中古ショップで購入。トレイ動作、読み込み動作、再生までの時間はぴか一で最速。この機種にはフィリップスのDAC TDA1541が2個スタガードで入っていて事実上動作帯域が2倍とのことで、一聴して情報量の多さを感じました。でも、YAMAHAなどのプレーヤーに比べると楽器の実在感が乏しい。今まで私がSONYに抱いていたイメージそのものの音質です。

おまけ:KORGのDAC DS-DAC-10(R) 家の2階でDAC-10RでレコードをDSDで録音して1階でDAC-10で聴いています。レコードをDSDで録音すると、録音の隅々まで聞き取ることができるようになります。しかも、10Rにはイコライザーが内蔵されているので、レコードプレーヤーをじかに接続して録音できます。アナログイコライザーを通らないため、とてもピュアな音質で録音できます。お勧めです。でも、1階でレコードを聴きたいときもあるので中古でパイオニアのXL-1550(8000円!)買っちゃいました。カートリッジはオリジナル品で、針はアマゾンで購入しました。古き良き時代を感じながら、レコードを聴いております。

写真に写っているCECのCD3800、ケンウッドのDP-1100SG、ヤマハCDX-2200も健在です。CDX-2200は3台持っていますが、写真の個体は一番使い込まれているようで低音が引き締まっていて好きです。面白いですね、同じ機種なのに個体によって個性がある。コンデンサーをすべて交換した個体も持っていますが音がふくよかです。

CDP337

2021年3月14日
ビクターのSX3の調整を続けてきましたが、やっと納得のいく音質となりましたので報告します。
実は前回までの調整でもネットサーフィンしてみられるように「オーディオスピーカー最低の音!」と紹介していらっしゃる方のように、私もこのスピーカーを初めて聞いた時に同じ感想を持ちました。
音が団子になっていて音場、音像が見えない、聴いていて吐きっぽくなる。
それでネットワークをいじったり、箱の中に詰め物をしたりして、かなり改善されたつもりでした。
でも良く聴いていると、やっぱり中音域で音圧が高くて解像度が低くなっている。
それで今回、ネットワークの構成を思い切って見直しました。
ツィーターは直径50㎜φあるため、中音域(1KHz辺り)までカバーできると想定して、音域の大半(1KHz~20KHz)をツィーターに受け持たせる。
そのために、ツィーターの-12dB/Oct設定だっだものを-6dB/octに変更、すなわち0.28mHのコイルを除去しました。ローカットフィルターのコンデンサーは10μF(カットオフ1KHz)のままとしました。
ウーファー側ではハイカットフィルターの0.72mHコイルを1.8mHとして、ハイカットコンデンサーは20μFとしました。
この状態で周波数特性を「ネットワーク簡単設定プログラム」で計算してもらうと
ネットワーク設定
となりまして、少しつながりが悪そうですがなんとか行けそうです。
早速ネットワーク変更して、あと少し箱の中に詰め込んだ詰め物を取り出してウーファー用の背面圧を弱くしてウーファーの音圧を上げてギャップを埋めるようにしました。
それでネットに載っていたすぃーぷ音源を鳴らしてそれをSonyのコンデンサーマイクで拾ってWaveSpectraでモニターしました。
こんな具合で、意外とフラットな周波数特性にすることができました。
ただ、夏川りみのボーカルを聴くと声がだぶつく感じ(なにか位相がずれているような感じ)がしたので、早速ツィーターの接続を逆相にしてみました。そしたらドンピシャ!ボーカルがくっきりしました。これで聴感でもどんなジャンルの音楽でもそつなく再生できるようです。
ビクターの50年ほど前のスピーカーユニットから奏でられる音楽、昭和の雰囲気が漂います。音が図太い。芯がある。ひ弱なマグネットからは想像できません。
それにしてもSX3ではウーファーを語られることが多いですが、ツィーターも立派なもので、1KHzから10KHzまではフラット、それ以上は少し音圧は下がりますが20KHzまでちゃんと再生しているのには驚きました。聴感上でもこの特性を感じることができます。今まで遠くで聴く場合にはホーンでなければ高音域のディテールは再現できないと思っていましたが、この改良型SX3ではちゃんと聞き取ることができます。それにしても音のまとまりがいいです。しばらくこれで音楽を聴きたいと思います。
SX3setting
2021年2月21日
前回の投稿から11年経ちました。月日が流れるのは速いもので、私は昨年定年を迎えました。
スキっと会社を辞めて趣味のスピーカー創りに没頭すればいいものを、昨年の収入にかかる住民税を払うためにあと一年は再雇用で働くことになりました。でも気楽なものですよ、再雇用では評価がありませんから、好きに会社で仕事をしています。でも今年後半には会社を辞めてもよくなるので、また考えます。
てなわけで大分気楽な身分になりましたので、再びオーディオいじりを始めました。
手始めは調子の悪くなったカセットデッキです。大学時代に親のすねをかじって手に入れた(でも就職後にちゃんとお代金以上は返しましたよ)TEACのZ-5000の巻き戻し早送りが1秒ほどで止まるようになってしまいました。それで早送り巻き戻しできるお安いジャンクをネットショップで1台購入するつもりでジャンクのSONYのTC-K500R(5000円)をぽちり、でも隣にあったジャンクのVICTORのTD-V66の3ヘッドが気になってぽちり(5000円)、両方とも録再に難があるとのことでしたが、実際には全く問題がないことがわかりました。以前Z-5000で録音したカセットはノイズリダクションdbxで録音したものがたくさんあることに気が付いて、さらにTEACのR-646X(左の音がとても小さいとのことでジャンク1400円)でぽちり。届いて音量を確認したところ、出力ボリュームがさび付いていて、数回フルに回したところ左の音量も元に戻ってとても良い買い物でした。
昔の音源(レコードやFMエアチェック)の音質はレンジは狭いもののなんだか昭和の音がして懐かしく聴いています。
カセット
次にハードオフで懐かしいスピーカーを見つけて衝動買いしてしまいました。VictorのSX3です。だいぶ前にオークションでSX7Ⅱを落札して聴いたことがあったので、同じシリーズの最も人気のあったSX3はどんな音なんだろうと思って購入した次第です(4400円)。比較的きれいな個体で、アルコールで表面を拭上げたらとてもきれいになりました。
で、音出ししてがっかり!おそらく発売当時(1973年ころ)は和室が多くて低音リッチにすれば売れると思ったのでしょうか、ボンつきも甚だしく、高音も出ていませんでした。
ネットで調べたら、ウーファーは6dbカットで高音側はツィーターと被っています。ツィーターのコンデンサー劣化も考えられたので、ネットワークをリファインすることにしました。
↑これがオリジナルのネットワークです。なんと、ウーファーのインピーダンス4オームなのにツィーターインピーダンスは8Ωです。つまりウーファーの方が能率が高くなるようになっています。セッティングでぶーミーになったらウーファーのゲインを下げるスイッチが付いていて、写っているセメント抵抗の固定アッテネータで減衰するようになっていました。
各コイルやコンデンサーを取り外して値を測定してみました。
こんな感じで、ウーファーのハイカットコイルは0.72mH、ツイーターのローカットコイルはなぜか0.28mHでした。ツィーターのローカットコンデンサー容量は表記では6+4=10μFで、LCRメータで実測してもあまり変わっていませんでした。セメント抵抗はウーファーの固定アッテネータですが、切り替えスイッチまでの配線が細くて長いために取り除きました。
また、内部配線もすべて太めのスピーカーケーブル配線に交換しました。コイルもネットワーク設定プログラムで計算してウーファー側0.7mHハイカットコンデンサー20μFを追加、ツィーター側コイル0.6mH(写真にさらに0.1mH追加)、ローカットコンデンサー5.6μFとしました。
それから、低音のボンツキが大きかったので、内部に吸音材を追加して完成としました。
それでもまだボンツキを抑えきれず、下の写真のように箱の中にぎゅうぎゅうに発泡スチロールを押し込んで、吸音材で包みました。
聴感では高音の伸びが回復して、低音のボンツキも抑えらえ、そこそこ聴ける音質となりました。
SX3のウーファーはマグネットがとても小さく非力であるのに、低音を伸ばしたいがためにコーン紙の裏側に4つもウエイトを張り付けてあります。
これでどうなるか、容易に想像できますね。低音の信号を受けてボイスコルが振動します。それでコーン紙が揺さぶられるわけですが、おもりが付いているので信号の振動が収まっても重りに揺さぶられてコーン紙もいつまでも振動してしまいます。マグネットが強力であれば振動はすぐに収まりますが、SX3の非力なマグネットではこの余計な振動を制御できないわけです。
で、私はどうしたかというと、ユニットの周波数特性を変えたくなかったのでユニットには手を付けずに、箱の容積を極力小さくすることでコーン紙が余計に振動できないようにしたわけです。
これで低音のだぶつきはほとんど気にならなくなりました。
しかしSX3は音質よりも見た目ですね。眺めているだけで心が満たされます。

それから最近、ネットを眺めていて気になるオーディオメーカーを見つけました。C.E.Cです。
昔にプレーヤーのメーカーで目にしていて、かなりお安かったので音質もそれなりなんだろうと思ってたまに目にすることはあっても気にかけていませんでした。
しかし、CDプレーヤーやアンプでの書き込みを目にして、手に入るものであれば手に入れて聞いてみたいと思うようになりました。
で、やはりジャンクでCD3300があったので購入しました。症状に左側の音が歪むとのことでしたので聞いてみたところ、その症状を確認しました。
試しに光出力をDCD-S10Ⅲにのデジタル入力につないで音出ししてみてびっくりです!とてもいい音(見通しの良い、ごりっとした生々しい音)で鳴ってくれたのですよ。
それで手元に届いた当日にはCECサービスのS-TECに連絡してみたところ、未だに修理可能とのご返事で、翌日には修理依頼をいたしました。リモコンも問い合わせしたところ、
代替え品を手配してくれるとのことで、本当に感謝しております。
これに味を占めて、アンプはどうなんだろうと思って、やっぱり中古屋さんのネットでAMP3300Rを見つけました。33000円で少々お高かったですが、評判の高さにつられてぽちり。
AMP3300R
とてもきれいな個体です。早速音出しです。使った機器はDENON DCD-S10Ⅲ→本機→ホーン+38cmウーファーシステム
そうしたら、目からうろことはこのことですね。今まで音楽が団子になっていたことがよく分かりました。AMP3300ではすべての楽器、声が分離して空間に配置されることが分かるようになりました。音源にしても優れた音源ばかり効果があるわけではなくオールラウンドのようです、最近カセットデッキを色々と聞いているのですが、昔録音した竹内まりやのカセットも信じられないほどの立体的な音場になって私の目の前で歌ってくれています。
使い勝手をよくするために、C-200Lのプリ出力をXLRケーブルを使ってAMP3300RのCD入力(XLR)に接続して使っていますが、AMP3300Rの持ち味が損なわれることは全くありませんでした。恐るべしC-200L!
こんなに素晴らしいアンプなのでとても困っています。このアンプが壊れたらどうしよう?実際、スイッチを入れてPlayになるまでの時間が左右で異なり、右側が遅いのです。Playになるまでの時間がどんどん長くなってPlayにならなくなったら、どうすればいいんだ、と思ってしまうのです。なのでC-200Lのイコライザー部分で冷却ファン装着したのと同じようにパソコン用の12cmファンを外付けしてみました。
驚いたことに、AMP3300Rの背面の冷却フィンは2時間稼働してもほんのり温かいくらいで、しかも!この時点でスイッチを切って入れ直したところ、playになるまでの時間が左右で同じになりました。
ファン空冷はてきめんに放熱に効きますね。
困ったことにCECさんはアンプの製品を販売終了していますね。
これはとても罪なことです。なぜなら、CECさんのアンプを生涯使いたい人を裏切ることになるわけですから。
アキュフェーズさんと互角、あるいはそれ以上の音を出していながら、ユーザーさんの修理依頼を製造年だけで受け付けないのはどんなもんなんでしょうか?わたしはプリアンプはアキュフェーズのC-200Lを使っていて一度5万円かけてオーバーホールしてもらいました。そのため製造から36年たっていても未だに透明無色で私を感動させてくれています。
CECさんにもそうなってもらいたいです。
 
CECさんのスタッフでカルロス・カンダイアスさん、もしAMP3300RやCD3300の音質がカルロスさん由来のものであるなら、この音質は死守しなければなりません。特にアンプは絶やしてはいけません。これはCECさんの音質に魅せられたユーザーを安心して音楽鑑賞に浸ってもらうためには必須です。
 
トップ アイコン
トップ

inserted by FC2 system