自分の生い立ちと考え方、現在のシステム構成を書いています。リアルタイムで現状構成を変更しております。機器の試聴感想を掲載しておりますので是非ご覧ください。

空と文字(MOUNTAIN)

システム紹介



自己紹介

小学生の頃は近所のぼろ屋さんでテレビのスピーカーユニットをもらってきて、ミカン箱(当時は木箱でした)に入れていい音だな、なんて聴いていました。中学時代で真空管アンプ(東芝の6R-P15と出力トランスはU-608)を組み立てて親父や兄と聴いたものです。それから20年ほどして家を建ててスピーカー工房を始めたころは、子育て真っ最中でとにかくお金が無くて、でもいい音聴きたくて、それで再び自作を始めた次第です。スピーカーを自作しなければならないと思い立ったのは、学生時代から聴いていたエレクトロボイスSP-12Cの巨大バスレフシステムで重低音が出ないことに気が付いたからです。それは忘れもしない、無線と実験の後ろの方に載っている「売ります」のコーナーで長野県上伊那郡の方がパイオニアのCDプレーヤーPD-T09(発売当時36万円)を8万円で売ってくれる記事を見つけて、試聴に行ったときに、タンノイのアーデンを聴かせてもらったのがきっかけです。地を這うような、空気の振動を体全体で感じることができました。それに比べてエレクトロボイスのシステムは何も感じない。まあ、当たり前ですね、だってSP-12Cはもともとパトリシアン800のミッドウーファーで、最低共振周波数は45Hzでおまけにバスレフなので45Hzでボンついて、それより低い音は出ないのですから。それでエレボイを5万円で売り払いました。このとき使っていたアンプもひどかった。ラックスのL-505S(定価18万円)美しくて信頼していたのにラックストーンとやらで甘ったるい音質で、またこれと組み合わせたCDプレーヤーPioneerのフラッグシップPD-T09も切れの悪い甘ったるい音で、ダメダメでした。これらも全部売り払って、一念発起してスピーカー工房となった次第です。そのころ丁度自宅を建ててくれた大工さんの仕事を手伝って木工のイロハを教えてもらったり工具をもらったりしたのもよかったですね。ホント楽しかったなあ。・・・・・・・ 自作はいいですよね。うまく作ればかけたお金の何倍もいい音を聴くことができるし、達成感がありますよね。プラシーボ効果もあるし。自分で勉強していくらでも改良できます。お安い中古車でも自分で手を入れて整備して少し改造なんてしてアクセル踏んでスカッと加速が良くなるようなもんです。(私、4年落ちで90万円で買ったレガシィB4 3.0Rの2世代目、柿本のインテークチャンバーとガナドールのレーシングチタンマフラーに交換してECU書き換えて、レーシングサウンドを奏でながらスカッと加速、気持ち良いですよ。もう14年乗ってます。)だからお金ないほうが(あまりにないのも困りますが)人生楽しいかもしれません。勉強もするし。これ大事ですよね。

で、スキっと定年で会社を辞めて趣味のオーディオ創りに没頭すればいいものを、前の年の収入にかかる住民税を払うためと健康保険を節約するために、あと一年は再雇用で働くことになりました。で、また1年経って会社を辞めればいいものなのですが、なんと1昨年の収入にかかる住民税は今年(2022年)の5月まで払わなければならないし、国民健康保険税も前の年の収入で算出されることが分かり、再雇用を継続することになりましたが、やっと5月分まで納めました。これで住民税の重い負担から解放されました。これでいつ辞めてもいい身分になりました。いつまで再雇用続けようかなあ。悩ましいところです。日本人男子の健康寿命は70歳なので健康でいられるのはあと8年です。しっかり考えなければなりません。なんて言っている内に私の会社では再雇用制度が変更されて70歳まで働けることになりました。おまけにボーナスまで出るそうな。こんな改善止めてほしいな、だって、会社辞められなくなっちゃうよ!でも、定年退職で破門された労働組合にまた入れって、アホか!労働組合費払うの嫌だからそろそろ辞めます!

若いころはバックロードホーンスピーカー作って楽しんでいましたが、バックロードはある程度達成したので、少し有名なスピーカーユニットを使ってフロア開放型スピーカーとしてアルテックシステムを作ったところ、新世界が広がりました。そしたらそれを鳴らすためのソース機器やアンプの良し悪しが分かるようになってしまい、今に至っています。それでもおよそいいところまで到達したので、音楽鑑賞に浸れます。

アナログプレーヤ TRIO KP880D

 学生時代から使っていますがビクともしません。未だに現役です。カートリッジはオーディオテクニカAT-33PTGとデンオンDL-103です。PTGは繊細極まりない音で、DL-103は骨太、質実剛健の音がします。スタビライザーはオーディオテクニカAT-618です。このプレーヤーは2階において、KORGのDS-DAC-10Rでレコードをデジタル(DSD)に落として1FではDS-DAC-10で聴いてます(1Fでは猫さんがプレーヤーを占拠しているので)。

 サブ機 パイオニア XL-1550

ジャンクで送料込み8000円で購入したら新品同様で不具合はありません。カートリッジはオーディオテクニカのVM型やオリジナルのパイオニア製 癖のない音質です。(1Fのプレーヤーを2Fに持っていったら、やっぱり寂しくて買ってしまいました。猫さんのお気に入りの居場所になってます)


CDプレーヤー

以前はDENONのDCD-S10Ⅲ使っていましたが、なんだかパッとしないので、往年の銘機をジャンクで買って治して使ってます。

ヤマハCDX-2200が3台、CD-3、CDX-800、CDX-1050、CDX-993、CDX-593(すべて共通した音質、質実剛健、ピアノがいいね)

CDX-2200が3台もあるのは、一つは想い出があるからです。私が社会人になって初めて購入しようとした高級機であり、その当時のシステムでは価値が分からず、なのに168000円もして、青ざめてショップに返品した苦い思い出があります。35年経ってオークションで1万円で落札して改めて聴いてみて驚いた次第です。この機種はなぜかジャンクは1~1.5万円で落札できるんですね。予備を備えるつもりであと2台揃えたわけです。今聴いてみてもやっぱりリファレンスです。特に、ピアノが打楽器であることを実感させてくれます。。CD-3はレンジは狭いけど、低域のどっしり感がいいですね。ひとつ面白いことが分かりました。CD-3はリモコンが無いのですが他のヤマハのリモコンをつかえなくて困っていました。CD-550を入手して、これ用のリモコンRS-D5が出ていたので落札して、操作してびっくり、CD-3も操作できることが分かりました。CD-2のリモコンも入手して試したことがあるのですが、だめだったのに。どうもCD-3とCD-550(450なども)は他のヤマハのCDプレーヤーとリモコンの規格が違うみたいです。

CDX-593

ソニーCDP-337ESD(フィリップスのDACの名機TDA1541S1を2個使ってのスタガード動作でおまけに8倍オーバーサンプリングなんてとても贅沢!何でもこなしますね)

ケンウッドDP-1100SG(音場が広い、音が引っ込んでる?→アンプが良くなったらこのプレーヤの良さが良く分かりました!DP-8020よりも滑らかで音のつながりがいい。低音が良く伸びる。)、DP-8020(音が固い、けど、真空管プリアンプFX-AUDIO Tube-01Jを通すときれいにまとまる。低音から高音までレンジが広い

パイオニアPD-2000(低音が出ない、音の切れが悪い、以前持ってたPD-T09に似てる)→パイオニアファンには申し訳ないけど、パイオニアはスピーカーユニット(音がぱさぱさ)、CDプレーヤーともに癖がつよい。捨てちゃおうかな。→プリアンプにFX-AUDIOのTube-01Jを使ったら、とんでもないことが起こりました。前出の評価をすべて撤回します。申し訳ありませんでした、パイオニアさん。CDプレーヤーはいいですね。癖が無くて伸び伸びと低音から高音まで再生してくれます。オーディオ機器は組み合わせでガラッと音質が変わることが実感できました。PD-2000、大切にします。でもフルレンジスピーカー(PAX-A20とPE-16など)の音がぱさぱさなのは確かです。今となっては骨とう品なので仕方ないかも。でも、ダイヤトーンのP610Bは同じころのスピーカーなのにしっとりした音質ですよ。

CDプレーヤーPD-2000

PD-T06改 以前持っていたPD-T09が本当に音質が丸くてダメだったのか、確認するために同じ回路構成のT06を手に入れてみた。改造する前は音が荒くて、レンジが狭く感じた。それでネットで回路図を入手して再終段のオペアンプ、その周りの電源安定化用電解コン、音質調整用のフィルムコンデンサーをグレードアップしたところ、音質が一変した。滑らかなのにレンジが広く、高音は伸び切り、低音は20Hz辺りまで再生してくれるようになった。間違いなくCDX-2200を追い抜いて我が家でNo.1となった。パワーアンプTA-N330ESやCitation22と組み合わせて生々しい音楽を聴いている。バックアップにもう一台手に入れて、いざという時にはこちらも改造して使用予定。

Panasonic SL-P770はCDX-2200に近い音質でさらにクリアーさが増している。SL-PS700はお安くて軽いのにいい音、あまり癖がない。SL-PS840(上の写真の下段)はさらに完成された音質。すべて長岡鉄男のFMファンダイナミックテスト大賞の大賞受賞機。

SL-P770

マランツCD-72a(高級機にも使われているDAC7、HDAMモジュールにスイングメカCDM-4M。この機種はトレイを駆動するギヤが劣化して割れるのでアマゾンでギヤを買って交換しました。その時内部を見たのですが、機械部分と回路部分が銅メッキのケースに入っていてまるで高級機!おまけにケースにDAC7の回路構成まで印刷されています。またHDAMという回路ブロックを使っていてノイズ対策ばっちりなんですね。でも、YAMAHA CDX-2200に比べると音の輪郭が丸いことが分かります、もっと聴き込むと愕然としました。このCDプレーヤーは、楽器の間にあるはずの音像が、無い!なんでだあ~!信じられないほどひどい音。今まで聴いた機種の中の最低機種です。早速手放しました。ネットで調べると、同じ時代の上級機CD-16DはDAC7を搭載していて、同じように楽器の間にある音場が抜けているとのこと。DAC7は評判が高いとのことだが、実際にはそうでもないようだ。

もう売り払ってない機種ではTEACのVRDS-50(VersionUPしてエソテリックX-30相当)がありましたが、少し大きな音を出すとすぐに音が飛んでしまいました。メカをVersionUP(アルミブロックに変更)したのに音飛びとは。それからとても冷たい音でどうにもなりませんでした。VRDS-25XSはいい音みたいですが、どうなんでしょうか。中古でもお高いので手が出ません。手を出してガッカリしたくないので手を出しません。

あと、CECのCD-3300、CD-3300R、CD-3800です。2000年代の製品だけあって癖が無くていいですね。でも、CD3800は電源がスイッチング電源で、必要のないDAC入力があって好きになれないので手放しました。バイオリンの音が平面的でうるさくなるのも嫌でした。

FMAMチューナーはSONYのST-S222ESXです。デジタルが嫌いでトリオのKT-7700やKT-5500を使っていましたが、222ESXジャンクを700円で買ったら動作品で、おまけに音質がすごい!特に低音の粒立ち、超低音までの伸びの良さ。アナログは足元にも及ばないことが分かりました。カタログによればKT-7700の低域限界は50Hz、一方222ESXでは15Hzとのことで納得できました。

液晶プロジェクター 

エプソン EH-TW7000

このプロジェクターは素晴らしい!この前にはEH-TW5200を使っていましたが、2000lm→3000lmへの光量アップは数字以上です。しかも疑似とはいえ4Kで、方式がライトバルブのシフト方式のためか、画素が目立ちません。とてもなめらかな画質です。fire stick TV 4K Max繋いでアレクサで見たい番組探して110インチの大画面で観るなんて、すごいハイテクな感じです。テレビも映画もこれ一台、なんて。テヘ! 皆さんもやってみませんか?ちなみにシアターシステムのスピーカーはナショナルのゲンコツ(EAS-20PW49)一発システムです。音声アンプは、以前はCROWNのD-45でしたが、オークションで高値で売れて、今はToppingのTP10Mark4(デジタルアンプ、4000円)使ってます。

カセットデッキ

TEAC Z-5000のほかジャンク1400円~5000円で買ったけど、全部動作品でした。みんないい音だね。


プリアンプ

アキュフェーズ C-200L

このプリアンプはすばらしい!!どこまでも透明で、でもちゃんと楽器の音に芯があり、力があります。うるさかった楽器やボーカルも、表現力豊かにきっちり聴かせてくれます。もう3回メンテナンスしてもらいました。死ぬまで付き合います。

万能ではありません。1段アンプの6Z-P1アンプでは低音が全くでなくなってしまいました。真空管プリアンプFX-AUDIOのTube-01Jを使うと、低音が戻って活き活きとした再生音となりました。Tube-01J、5000円程なのにあなどれません!最初から付いている中華の真空管6J1、全然だめです。まるでラジオの音なので5654Wに差し替えました。ヤフオクでソ連製の6J1を入手して聴いてみたらさらに奥深い音がしたのですが、ジー!という雑音が大きくて、5654Wに取り替えたら少しおさまりました。が、やっぱり我慢できないので開腹! そしたらびっくり!、基板の裏側に実装されたフェライトビーズを通した配線がブッタギレテいました! 早速はんだ付けし直して聴いたところ、全くの無音になりました。勘弁してよお~!気を取り直してロシア球さしたら、球が割れたあ~!もう、勘弁してえ~。で、買い置きしてあったPhilips ECGの6AU6や6136に差し替えて切れのある、S/Nの良いクリアな音質に浸ってます。6136はボーカルがうるさくなることはなく、とてもお勧めです。ハム音が治った後、ロシア球6J1P-EVに差し替えて良く聴いたところ、ボーカルがうるさくて聴けたものではありません。GE5654Wでは全くそんなことはないので、球の音ですね。Tube-01Jに中華球やロシア球は止めた方が耳のためです。

Tube01Jは球の動作点を確認したらバイアスが-0.5Vしかかかっていないことが分かったので、回路定数を変更し、-1Vかかるようにしています。したところ、出力±10V 出せるようになりました。波形を観測しても矩形波10KHzをきれいに再生してくれます。これで安心して1段アンプをドライブできます。

tube01Jに6136を差し替え

パワーアンプ 

ソニー TA-N330ES

はっきり言って、私はもう、真空管アンプを作るのをやめようかと思った。それほど非の打ち所がない。ソースの音をそのまま表現している。何も足さない、何も引かない音とはこういう音なんだと思う。この音を聴いて今まで作ってきた真空管アンプの音を思い返すと、何かを足して何かを引いた音なんだと気が付く。今まで使ってきたトランジスターアンプの中でダントツで自然な音質。コストパフォーマンスも抜群。リファレンスアンプとなった。Citation22と比較するまでは。

ta-n330es

Harman/Kardon Citation22

Citation22は大型トロイダルトランス2基搭載しており、2CHアンプ完全独立、なんと4Ωでも8Ωでも200W×2です。HiVoltage/HiCurrentのなせる業です。1990年発売で定価22万円とのことでしたが、2010年頃でしたか、とあるオーディオショップで通販で23000円で購入、あまりちゃんと聴いてこなかったのですが良く聴くと、音の厚み、ぐいぐい押し出してくる圧力は私が聴いて来たアンプの中で一番だと思います。(ただし、この評価は私のアルテックシステムで聴いた場合になります。)200W@8Ωchの重みを感じます。おまけにトランジスタを感じさせません。少なくともDENONのPOA-3000Z、NmodeのデジタルアンプなどはCitation22の足元にも及びません。最近導入したソニーTA-N330ESと比べても、値段なりの差があります。ということは・・・・・、あまり考えたくありませんね。(お金を掛ければもっとすごい音に出会えることになります、底なし沼です。)

でも弱点が2つ。ひとつはスピーカー端子。締め付けすぎると端子板が割れます。エポキシ接着剤で2か所補修しました。あと、入力のstereo-mono切り替えスイッチの接触不良で右側が音が出なくなったりします。時たま固定板を外してガチャガチャすると治ります。

MOSFETアンプ

パワーMOSFETアンプです。学生時代に自作しました。超シンプル回路です。スピーカー端子からMOSFETまではスピーカーケーブルで配線してあります。音質を一言で表すと「サラッサラで竹を割ったような大迫力サウンド」。 懐かしいCANタイプのHITACHI 2SK134&2SJ49 MOSFETの素性の良さがそのまま音質に表れています。コッテリとドスの効いたCitation22とは好対照な音質です。

他はCECのA級無帰還アンプAMP3300、AMP3300R、AMP5300Rです。3300は素直な音。3300Rは音楽的な鳴り方、5300Rはボリューム11時以上で鳴らすと、本性が良く分かりました。大音量でも歪感が全くなく、滑らかで音場が崩れず、何も足さない、何も引かない音質。これは本当に大出力120W + 120WのA級無帰還アンプです!無帰還真空管アンプ創りのリファレンスとして使っています。

デジタルアンプ

FX-AUDIO FX-98E(石はSTmicroのTDA7498E)を最初聴いた時には、もうこれでいいじゃん!と思ったものです。でも少し音を大きくすると、音が平面的になってつまらなくなってしまうことが分かりました。32VのACアダプタでも同じです。ToppingのTP10 Mark4(石はTripath TA2024)はもっと平凡な音で何とも形容できません。小さな音でBGMで聴くなら省電力なので最適ですね。なのでテレビのアンプになってます。

真空管パワーアンプ

負帰還(NFB)について

いままでNFBの動作原理がよくわからなかったので、ネットで検索してみた。それでも専門的な数式ばかり出てきて定性的に的を得た説明がなされておらず、困っていた。それで自分なりにNFBの動作について考えてみた。まずNFBのない場合の動作。アンプの回路は入力から出力の間で増幅動作を行う。利得をGとする。その利得Gの周波数特性もある。理想は20~20KHzでGが同じであること。 でも大抵は周波数端でGがだら下がりである。周波数特性の元の特性に対する差分と増幅した信号の元の信号波形に対する歪分Gdとする。またこの増幅動作の中で出力にノイズが現れる。ノイズレベルをNとする。これらG、Gd、Nが合わさって出力される。さて、この増幅回路にNFBを掛ける場合を考える。NFBの動作を増幅系におけるノイズNを打ち消す場合を考える。アンプの利得がGだとすると、Nをなくすには、N/Gの逆信号(位相が逆)をアンプの入力に入れてやれば、出力としてはNは打ち消されて0になる。この場合、Gdについて考えると、Gd/Gの信号も逆信号として入力に加えられる。つまり、アンプの周波数特性の逆のイコライジング信号と歪を打ち消す信号も加えられる。なので周波数特性は改善し、歪も打ち消される。だが、ここで考慮しなければならないのが、アンプのノイズ信号の大きさと、アンプの周波数特性のレンジ、アンプの歪の大きさがすべて異なる点である。アンプのノイズを消す負帰還量はGdを打ち消す負帰還量とは大抵異なる。なので、負帰還量は音を聴きながら決定するのが良いことになる。こんな難しいこと、普通出来っこないし、元に戻って裸特性が良ければNFBなんていらないはずである。第一、出力した音を入力に戻すなんて、自分で出したうんこを食べて生きるみたいで、絶対やりたくない。

6CW5ほぼA級の無帰還3結PPアンプ→改造して全段差動増幅化!

ぺるけさんの差動型PP回路の原理がとても魅力的で、初段だけでも取り入れようと考えてみました。中林歩さんの「電脳時代の真空管アンプ設計」を参考に、12AU7初段ー6CW5出力段のシングルアンプを反転して向い合せたような回路とし、12AU7の片ユニット同志のカソードを結んで定電流ダイオード(5.6mA)で接地したとてもシンプルな回路としました。加えて無帰還としました。6CW5動作点の電流値40mAなので通常の音量であればA級動作です。今まで作ったアンプの中で一番癖がなく、ソースの持ち味をよく引き出してくれます。このアンプの後で作ったVT-137と比べてもやっぱりこちらが一枚上手です。ダンピングの利いた深あああい低音、きりっと引き締まった中高音。基本的に音波信号に対するダンピングが効いているんですね。やっぱりプッシュプルですね!後で調整したEL34or6L6の差動増幅位相反転無帰還PPアンプといい勝負です。さらに最近出力段も差動増幅化しました。定電流源ICの発熱は半端ないです。→カソード抵抗を直列に入れることで、発熱の問題を解消!それからカソード間に100Ω2Wの巻き線VRを入れてプレート電流間の電流バランスをとることで劇的に音質が改善した。アンプは調整しないとだめだね!

6CW5差動増幅アンプ内部

6R-A6 差動増幅位相反転1段プッシュプル無帰還アンプ

まさか3極管で1段アンプができるなんて思いもしなかったが、6RA6のシングルアンプを1段化できることが分かり、だったらプッシュプルもいけるんじゃないか?それには1段で位相反転もできる差動増幅は必須となる。差動増幅を簡単に実現するには定電流源ICを使うのが手っ取り早く、簡単に実現できた。何も足さない、何も引かないアンプ誕生!

6RA6プッシュプルアンプ

TV球6DE7、6EW7のシングルアンプ

これらの球は出力ユニットの内部抵抗が1KΩ以下で、明らかにほかの傍熱管の音と異なります。普通の回路でも結構いい音します。

6DE7シングルアンプ6EW7シングルアンプ

6L6GCプッシュプルアンプ

レクトロニクス社カスタム30のステレオ版を作りました。電源はタンゴMS450Dを使い、2倍の電流容量を確保、平滑用コンデンサーに800μF500Vを擁し、ノイズは0!出力トランスはタムラF684を使い、出力30W×2を出します。でもNFB使っているからトランジスターアンプと変わらない硬い音です。作ったころはご満悦だったです。トホホ。本日(2022年8月23日)、ファンクションジェネレーターでサイン波(30~10KHz)入れて中華オシロスコープで波形を確認しながら出力を測定したところ、周波数特性はフラット!出力は20Wx2でした。コピーだけど一応波形も崩れず、特性だけは大したもんです。さすが負帰還の威力!!!!  ちなみに、この回路はMJ2001年6月号の記事のコピーで、記事のアンプでも無歪みでは20Wx2とのことなので、ホント、コピーができていました。

でも、ボーカルを聴くとうるさくて聴いてられません。早速6CW5PPで実績のある差動増幅位相反転回路に差し替えました。

もちろん無帰還、UL接続で、A1級です。そしたら以前の音とは似ても似つかない、うるさくなくなりました。捨てなくてよかった、ちゃんと救済できました。

それからEL34に差し替えて、今まで聴いたことのない音楽の世界に浸ることができるようになりました。6L6もこの回路だとゴキゲンな音色で鳴ってくれています。

それからもう一つ、興味深いことが分かりました。6CW5PPで分かっていたことですが、同じ差動増幅位相反転回路を搭載したEL34PPでも同じ現象を確認しました。それはプリアンプC-200Lをつなぐと、人の声がきつくなる現象です。FX-AUDIOのTube-01Jだとそんな現象はなくて、むしろ低音の伸びが非常に良くなる現象です。そのため差動増幅位相反転回路のPPアンプではTube-01Jで聴くようにしています。

EL34差動増幅位相反転PPアンプwith svetlana

EL34_3極管接続シングルアンプ
テレフンケンEL-34を用いた3極管接続シングルステレオアンプです。EL34シングルはおとなしいつまらない音です。もうばらして今はありません。EL34、6L6GCのような大出力管は音がおおざっぱでつまらない音です。EL34はプッシュプルで鳴らすのが一番と思いますマランツ8Bみたいに。わたし、嘘が付けない人間なんで、すみません!


スピーカー

170Lの箱にアルテック416-8Cを入れて、A7に倣って空気抜きの大穴明けたシステムです。バスレフだと共振周波数辺りにピークができてそれより低い周波数は再生できなくなってしまいますが、開放型はいい感じで低音が周波数的にフェードアウトしてくれます。ウーファとツィーターのクロスオーバー周波数は、A7では500Hzとのことですが、アルテックでできるだけ広い周波数領域を再生したい、特にピアノの音を主に416-8Cで再生したいために高域側再生限界1500Hzぎりぎりに設定しました。実際に聴いてみるとピアノの音のかなりの周波数を416-8Cで再生してくれています。ツィーターはワイドレンジでFostexFD-100+ホーンCoral AH-501です。以前はスーパーツィーターをつけてましたが、不自然なので取っ払って、FD-100をパッシブイコライジングして10KHz以上を持ち上げて聴いてます。このスピーカーの音質を一言でいうと、「気持ちのいいお風呂」。気持ちのいい音場の中にどっぷり漬かって、本当に気持ちよくなれます。居眠りできます。面白いのですが、低音の周波数が低い成分が記録されていると、お風呂が深くなってどっぷり漬かれます。低音周波数が高いとお風呂が浅くなります。30Hz以下の超低音にはコンサートホールや演奏している部屋特有の空気感が含まれているので、超低音が含まれた音源は音圧が大きくなくてもお風呂が深く、広くなり、聴いた後に本当に気持ちよくなれます。こんななので、お風呂あがりの気持ちよさ加減でソースや使うオーディオ装置の癖がすぐに分かってしまいます。

あと、フロントバッフルを現状のシナアピトン合板から手持ちのイタヤカエデ合板に換えてみようと企んでいます。タノピミ!

→イタヤカエデ合板に変更しました。音質が一変!低音の伸びが格段に良くなり、歯切れも良くなりました。

イタヤカエデ合板バッフル

ラインケーブル

こんなケーブルで音が変わるわけがないと思っていたのですが、CDプレーヤーパイオニアPD-T06の音質を検証中に低容量ケーブルでアンプにつないだら、若干低音の量感が改善したので、だったら極端に提要用のケーブル使ったらどうだろうと。MOGAMI3368ケーブルは超低容量をうたっているギターケーブル。サウンドハウスでケーブルとRCAプラグを調達、早速ラインケーブルを組み立て、音質を確かめてみた。

mogami3368ラインケーブル

びっくりした。今まで低音がプアだったのに、低音ダブダブになってしまった。でも、このケーブルは音質を調整するのに使える。芯線はかなり太いOFC線。実に頼もしい。

スピーカーケーブル、電源タップとか

スピーカーケーブルはモンスターケーブルとか銀メッキケーブルとか、WEのケーブルとかいろいろ使ってみましたが、装置が到底それらの差が分かるようなものではないので、何でもいいような気がします。唯一使ってはいけないと思ったのが、WEの細い赤い布被覆のケーブルWE16GAで、音がやせたのが分かりました。今使っているのがカナレの4芯ケーブルをほどいて使っています。

電源タップはオヤイデとかサウンドハウスのクラシックプロ使ってます、が、何でもいいですよ。だって電柱からは下の写真のような単芯銅線でコンセントまで何十mも配線されているんですから。コンセントから装置まで1~2mくらいいいケーブル使ってみてもタカが知れてますよわたし、嘘が付けない人間なんで、すみません!
ケーブル類に金をかけるのもいいですが、まずは装置をブラッシュアップしてからですね。

ラック 米松ピーラー材で自作

2003年9月に、今まで使っていたラックの共振が気になり、ラックを再び自作しました。材料は硬いことで有名な米松ピーラーで、木組み工法でしっかりと四隅の柱が過重を受け止められる構造とし、移動可能なように底にキャリアを付けて、移動後は床と固定するためにジャッキボルトを埋め込みました。でもラックで音質が変わるのを実感できるためにはオーディオ装置を相当ブラッシュアップしなければならないと思います。お金をいくらでもかけられる方は部屋に1000万円、装置に1000万円ほどかければやっとラックの違いを実感できるかもしれませんね。普通の方は地震で装置が落ちない程度にしっかりしていればいいんじゃないでしょうか。わたし、嘘が付けない人間なんで、すみません!

去って行った機器

・Lux L-505s これは悪い点でラックスの代表かもしれません。ラックストーン(おぶらーどで包んだような甘い、メリハリのないドローンとした音質)そのままです。

・DENON DCD-S10Ⅲ この前に使っていたVRDS-50がひどすぎて、導入した当時はいいような気がしていましたが、DVDプレーヤーでCDを聴いた方が音がいいことが分かって、この機種の音質がへぼいことが発覚しました。DENONではパワーアンプPOA-3000Zも使ってみましたが、コンデンサーの液漏れや歪みがあり、信頼性はありません。2001年以降デノンになってからはマランツと一緒になってしまい、アナログプレーヤーもオーディオテクニカもどきになってDENONの音は消えてしまいました。悲しいです。

・TEACのVRDS-50(VersionUPしてエソテリックX-30相当)がありましたが、少し大きな音を出すとすぐに音が飛んでしまいました。メカをVersionUP(アルミブロックに変更)したのに音飛びとは。それからとても冷たい音でどうにもなりませんでした。

・マランツCD-72a  YAMAHA CDX-2200に比べると音の輪郭が丸いことが分かります、もっと聴き込むと愕然としました。このCDプレーヤーは、楽器の間にあるはずの音像が、無い!なんでだあ~!信じられないほどひどい音。今まで聴いた機種の中の最低機種です。早速手放しました。普通のシステムの中に組み込めば気が付かないかもしれないけど。

・CECのCD3800 電源がスイッチング電源で、必要のないDAC入力があって好きになれないので手放しました。バイオリンの音が平面的でうるさくなるのも嫌でした。

・CambrideAudio AM5、CD5 ちょっと聴くといい音みたいですが、じっくり聴くとお安いオーディオサウンドが気になってしまいます。値段相応の音質だと思います。

・Crown D-45 全く癖が無いのでつまらなくて?手放しました。手放す前はテレビのアンプとして使っていました。

・手放して寂しくなったスピーカー:ビクターSX-7Ⅱ このスピーカーはブックシェルフに似合わず低域が25Hzまで再生できます。地を這う低音を体感できる数少ないブックシェルフです。ただ、モニターだけあって冷たく暗い音質です。機会があればまた手に入れたいですが、終活を考えると無理かな。

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